きっぷ基礎知識
JR九州の運賃

運賃の計算

 普通運賃は、JR東日本・JR東海・JR西日本(以下、総称して「本州3社」と記載します。)とJR北海道・JR四国・JR九州の各社でそれぞれ異なります。2つ以上の旅客鉄道会社にまたがって利用する場合には、通しで計算します。運賃表は、以下に示す営業キロ・もしくは換算キロを合計したキロメートル数で計算し、1キロメートル未満の「は数」は1キロメートルに切り上げます。なお、こどもは半額(5円の「は数」は切り捨て)です。

幹線と地方交通線

 JR時刻表やJTB時刻表など、時刻表の索引地図において、黒線で表示されている路線が幹線で、青線で表示されている路線が、地方交通線です。主要都市を結ぶ〇〇本線が「幹線」で、地方都市間を結ぶのが「地方交通線」みたいに考えがちですし、事実それで概ね正しくはあるのですが、釧網本線や高山本線が地方交通線で、伯備線が幹線など、単純な分類は困難で、最終的な正解は時刻表を見ることしかなさそうです。

営業キロ

 JR各線の幹線または本州3社及びJR北海道の地方交通線のみを利用する場合の運賃計算に用いるキロメートル数です。また、特急・急行料金などの料金の計算や割引条件・有効期間などにもこのキロメートル数を使います。キロ数は時刻表に記載されています。

換算キロ

 本州3社及びJR北海道の幹線と地方交通線とを連続して利用する場合の運賃計算に用いる地方交通線部分のキロメートル数です。キロ数は時刻表に記載されています。

擬制キロ

 JR四国・JR九州の地方交通線のみを利用する場合の運賃計算に用いるキロ数です。

運賃計算キロ

 幹線と地方交通線とを連続して利用する場合の運賃計算に用いるキロメートル数で、幹線部分の営業キロと地方交通線部分の換算キロ(JR四国、JR九州については擬制キロ)を合計したものです。それぞれのキロ数は時刻表に記載されています。

基準額と加算額

 本州3社とJR北海道・JR四国・JR九州とをまたがってご利用になる場合の基準となる運賃が「基準額」で、JR北海道、JR四国、JR九州各社の乗車距離に応じて基準額に加算する額が「加算額」です。

幹線・地方交通線を連続して利用する場合

 乗車した経路の幹線部分の営業キロと、地方交通線部分の換算キロを合計した運賃計算キロで計算します。地方交通線の運賃は、換算キロを用い、営業キロと換算キロの合計を、幹線の運賃表を用いて算出します。ただし、幹線と地方交通線そzれぞれのえいぎょうきろが10kmに満たない場合には、地方交通線の運賃表を営業キロで計算します。


JR九州線の運賃表

 幹線および地方交通線いずれの場合も営業キロを用いて計算します。ただし、営業キロには地方交通線内のみ利用の場合に算出する擬制キロ、運賃計算キロを含みます。
 また、表内※印の営業キロの範囲では、JR九州内の幹線と地方交通線、または地方交通線内のみを利用し、擬制キロと営業キロとの関係が次項別表に示す関係となる場合には、本表は適用されず、別表の運賃表が適用されます。

営業キロ※(km) 片道運賃(円) 有効期間(日)
1~3 170 1
4~6※ 210 1
7~10※ 230 1
11~15※ 280 1
16~20※ 380 1
21~25※ 480 1
26~30※ 570 1
31~35※ 660 1
36~40※ 760 1
41~45※ 860 1
46~50 950 1
51~60 1,130 1
61~70 1,310 1
71~80 1,500 1
81~90 1,680 1
91~100 1,850 1
101~120 2,170 2
121~140 2,530 2
141~160 2,860 2
161~180 3,300 2
181~200 3,740 2
201~220 4,070 3
221~240 4,440 3
241~260 4,840 3
261~280 5,280 3
281~300 5,610 3
301~320 5,940 3
321~340 6,160 3
341~360 6,490 3
361~380 6,820 3
381~400 7,040 3
401~420 7,370 4
421~440 7,590 4
441~460 7,920 4
461~480 8,140 4
481~500 8,470 4
501~520 8,800 4
521~540 9,020 4
541~560 9,350 4
561~580 9,570 4
581~600 9,900 4
601~640 10,230 5
641~680 10,450 5
681~720 10,780 5
721~760 11,110 5
761~800 11,440 5
801~840 11,770 6
841~880 11,990 6
881~920 12,320 6
921~960 12,650 6
961~1,000 12,980 6



地方交通線内のみ利用の場合の特定運賃表

 地方交通線のみを利用する場合で、擬制キロと営業キロを算出した結果、以下の表の関係になった場合には、本表を用いて計算します。

擬制キロ(km) 営業キロ(km)  片道運賃(円)
4 180
11 260
16 300
17 15 300
21 400
22 400
26 23 500
31 28 610
36 32 730
41 37 820
46 41 930
51  46 1,020
61  55 1,200
71  64 1,400
81  73 1,500
91 82 1,690
101 91 1,870
121 ―  2,360
141 128 2,730
161  146 3,160
181  164 3,690


幹線と地方交通線を連続して利用する場合の特定運賃表

 幹線と地方交通線を連続して利用する場合で、擬制キロと営業キロを算出した結果、以下の表の関係になった場合には、本表を用いて計算します。

運賃計算キロ(km) 営業キロ(km)  片道運賃(円)
4 180
11 10 260
 

宮崎空港線の加算普通運賃

 宮崎空港線の各駅を利用する場合(他区間・他会社線からの利用を含む)、もしくは宮崎空港線内相互発着の場合には、加算普通運賃110円を加えて計算します。


本州3社とJR北海道・JR四国・JR九州をまたがって利用する場合の運賃表

 利用する全区間についての運賃を、幹線の運賃表にて算出した額に、以下の加算額を合計したものが運賃となります。なお、JR四国については、児島~宇多津間の加算運賃110円を含みます。
 JRの境界駅は次の通りです。
 ・JR北海道 北海道新幹線~ 新青森 ~ JR東日本 東北新幹線
 ・JR北海道 北海道新幹線~ 新青森 ~ JR東日本 奥羽本線
 ・JR西日本 瀬戸大橋線~ 児島 ~ JR四国 瀬戸大橋線
 ・JR西日本 山陽本線~ 下関 ~ JR九州 山陽本線
 ・JR西日本 山陽新幹線~ 小倉 ~JR九州 鹿児島本線・日豊本線
 ・JR西日本 山陽新幹線~ 博多 ~JR九州 九州新幹線
 ・JR西日本 山陽新幹線~ 博多 ~JR九州 鹿児島本線

営業キロ(km) JR北海道(円) JR四国(円) JR九州(円) 
1~3 130 20
4~6 130 20
7~10 130 30
11~15 130 40
16~20 140 50
21~25 150 60
26~30 160 60
31~35 190 70
36~40 180 200 80
41~45 210  90
46~50 220  90
51~60 230  140
61~70 240  140
71~80 240  160
81~90 250  160
91~100 250  160
101~120 440 260  190
121~180 550 260  220
181~200 660 260 330
201~260 770 260  330
261km以上 770 270  440


福岡近郊区間内のみを利用する場合の特例

 以下の区間内のみで相互発着となる普通乗車券、もしくは回数乗車券にて利用する場合には、実際に乗車する経路にかかわらず、最短経路となる営業キロで計算されます。ただし、山陽新幹線で小倉~博多間を利用する場合には適用されません。また、途中下車する場合には。実際の乗車区間と比較して、不足している場合にはその差額が必要となります。

・鹿児島本線門司港~鳥栖
・日豊本線小倉~行橋
・福北ゆたか線(筑豊本線・香椎線)
・若松線(筑豊本線)
・原田線(筑豊本線)
・香椎線(海の中道線)
・日田彦山線城野~今山※
・後藤寺線
※日田彦山線添田~夜明間は2017年7月の九州北部豪雨のため、不通になっています


新下関と博多を利用する場合の特例

 新下関~博多間を含む区間については、山陽新幹線と山陽本線・鹿児島本線で運賃が異なるため、購入時に経路の指定が必要になります。ただし、当該区間においては、往路と復路とで指定する経路が異なる場合でも、同一区間とみなして往復乗車券を発売します。片道601キロ以上の区間については、往復割引の対象となります。


北九州市内の駅を発着する場合の特例

 北九州市内の駅から発着する場合で、中心駅として定める小倉駅から目的地までの営業キロが201キロ以上ある駅との区間の運賃は、その都市内の外を経てその都市内の駅を通過、もしくは戻ってくる場合を除き、中心駅となる小倉駅からの営業キロ・運賃計算キロにて計算されます。


福岡市内の駅を発着する場合の特例

 福岡市内の駅から発着する場合で、中心駅として定める博多駅から目的地までの営業キロが201キロ以上ある駅との区間の運賃は、その都市内の外を経てその都市内の駅を通過、もしくは戻ってくる場合を除き、中心駅となる博多駅からの営業キロ・運賃計算キロにて計算されます。


特定の分岐区間に対する区間外乗車の特例

 鹿児島本線(水巻方面)折尾以遠と福北ゆたか線(筑豊本線)東水巻以遠を利用する場合、鹿児島本線折尾~黒崎間のキロ数は含めずに運賃を計算します。ただし、途中下車はできません。
 

特急「ソニック」「にちりん」「にちりんシーガイア」号の折り返し運転に関する特例

 特急「ソニック」・「にちりん」・「にちりんシーガイア」号は、西小倉~小倉間で経路上折り返しとなり、区間が重複しますが、途中下車をしない限り、キロ数を含めずに運賃・料金を計算します。


新幹線・在来線並行区間の特例

 以下の区間を新幹線で通過する場合、同じ線(在来線)として営業キロで計算されます。
・山陽新幹線:東海道本線・山陽本線・鹿児島本線
・九州新幹線:鹿児島本線

 ただし、以下の区間は別の路線として計算されます。
・山陽新幹線 新大阪~西明石・福山~三原・三原~広島・広島~徳山


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